コンシェルジュノート

2010/07/19 コンサルタントコラム

所有と経営、運営の分離は、再生と承継に効果あり②

 ③の運営受託方式は、所有と経営が同一会社で、ホテル運営のノウハウを保有していない場合、運営のプロフェッショナルである運営会社(オペレーター)へ運営を委託する方式である。所有と経営会社は、ホテル売上やホテル運営にかかる経費を負担し、オペレーターに運営委託料を支払う。オペレーターは、総支配人などの幹部を派遣し、マーケティングや販促などのノウハウを提供し、集客力を高めるとともに独自の運営ノウハウにより高度なサービスを提供することになる。先ほど申し上げたとおり、所有・経営会社と運営会社が分離している場合もあるし、所有と経営、運営会社がそれぞれ分離している場合がある。現実的には不動産や電鉄系のホテルに多い形態であるが、所有が不動産や電鉄系会社、経営はそれぞれが出資したホテル経営子会社、そして運営は専門のオペレーターに委託する方式が多いようである。これは、一見すると所有、経営、運営の3つがバラバラの会社のように見えるが、実際所有会社と経営会社は親子関係なので実質的にほとんど同一会社と見なすことが出来る。

 ④のフランチャイズ方式は、所有、経営、運営は同一会社で行い、運営のノウハウやブランドなどの使用許可をフランチャイザーから受けて経営、運営する方式である。

 ⑤の経営指導契約方式は、一種のコンサルティング契約に近いもので、独自の経営・運営ノウハウを保有した会社と契約を結び、適宜ノウハウを注入してもらい、経営、運営を行う方式である。

 これらの5つの経営方式を簡単にまとめると次のようになる。(この図は、中央経済社仲谷秀一氏他著のホテル・ビジネス・ブックを弊社が修正したものである。)

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 つづく