No.2とは誰を指すのか
《コンシェルジュコラム》組織におけるNo.2 (1)
再生局面にある事業の改善を行うために必要なものは何か?
それは人の力である。
もちろん金銭的な支援やオペレーションにおける改善等も必要である。
しかし手段や方法があってもそれを活かすあるいは実行するのは“人”であり、
人が決意と覚悟をもって臨まなければ事業再生は実現しない。
すなわち再生計画を“絵に描いた餅”に終わらせないためには、実行力が必要になる。
私は「成果=計画×実行力」という方程式が成立すると考えている。
それだけ組織における実行力=人の存在は重要である。
そこで、今回からのメルマガ3回シリーズでは事業再生において欠かせない“人”、
特に組織におけるNo.2に焦点を当てて考えてみたいと思う。
事業を運営していくということは、大なり小なり組織というものが存在することになる。
この組織の長たる人間は紛れもなく“社長”ということになる。
ただし、社長一人では到底すべての業務を行うことはできない。
また社長は社長にしかできない仕事をするべきである。
そうなると重要になってくるのが組織を動かす原動力となる人材の存在である。
そんな人材をNo.2と呼ぶならば、一体どのような人材が当てはまるのだろうか?
組織図上、社長の直下に位置する人間がNo.2と呼べるのであろうか?
必ずしもそれを全否定するわけではないが答えはほぼノーである。
では誰が・・・。
我々外部専門家が事業調査を通じて再生計画策定に至る間に見極めている重要なこと。
それは、No.2は誰か? ということである。
No.2とは、計画を着実に実行に移し、成果に繋げることができる人材である。
このような人材を時にキーパーソンと呼ぶ。
ところで旅館・ホテル業におけるNo.2になりうる人材は多岐に亘る。
専務、女将、支配人、営業責任者・・・などである。
私が関与した旅館では、料理長がNo.2として尽力しているお宿もある。
どうしても肩書に捉われがちになるが、いくら肩書をもっていても意味がない。
必要なのは問題・課題に対する意識と、現状を打開するための行動力である。
そして社長と共に組織を動かす原動力となる人材、それがNo.2である。
今回は組織におけるNo.2とはどのような人間を指すのかについて漠とした考えを述べた。
次回はNo.2が担うべき役割を通じて、その存在をさらに深堀したいと思う。