ホテル・旅館の衛生管理の重要性:第4回 執筆:小尾 直樹
第4回のテーマは、「食品の受け入れ」についてです。
食材の受け入れには、先ず信頼できる業者(パートナー)の選定が大切で、業者側でも取り扱う商品の品質、鮮度、温度管理をきちんと行っていることは必須です。取引を開始する前に必ず業者の保管庫や保管状況、配送方法などの確認を行うことが重要です。
また、業者からの受け入れの際には、「受け入れ管理チェック表」を用いた「受け入れ検査」を実施する必要があり、入荷した商品の量と質(温度など)、包装されており包装が破れていたりへこんでいたりしていないこと、適切な商品ラベル表示(製造や加工年月日、消費/賞味期限、適切な保存方法など)に関する情報の記載があること、などをチェックします。このような条件が満たされていない商品については、受け入れずに返品をすることが望ましいです。
また、毎日の受け入れ管理チェック表の記録は受け入れ担当者名を記入の上、ファイリングしておくことをお勧めします。
① 受け入れ時の検査
・包装状態のチェック
・製造日、消費/賞味期限のチェック
・食品の温度(納入時に以上に温度が高くないかなど)
・品質
を主にチェックする。(商品、食材別にさらに詳細検査項目を設定する)
② 商品の受入れ拒否と返品
・古い、損傷、液漏れしている
・冷蔵商品の受け入れ温度が、8℃を超えている
・害虫や異物の混入、異臭などがある
・しなびている、腐っている野菜や果物
・異臭がする、目が濁っていて、窪んでいる魚
・死んだ状態の貝類
・原産国の表示がない果物、野菜類
以上の受入れ拒否(商品、食材別にさらに詳細返品項目を設定する)について、
受入れ管理チェック表に拒否理由を記入してファイリングする。
③ 商品保管
・納品された冷蔵、冷凍商品は配達後、30分以内には所定の保管庫に運搬する。
・新しい商品は以前に受け入れた商品の後ろに保管して先入れ先出しをする。
④ 受入れ後の運搬
・受入れた商品は、2次感染防止の為に、あらかじめ洗浄・消毒した専用の
容器に移し替える
・汚れている状態の外箱を保管庫や冷蔵庫に持ち込まない
・商品を運ぶ台車が汚染された場合には洗浄・消毒を行う
次回の最終回は、「厨房管理・メンテナンス」についてお話いたします。