コンシェルジュノート

2017/07/11 コンサルタントコラム

ホテル・旅館の衛生管理の重要性:第5回 執筆:小尾 直樹

第5回のテーマは「厨房管理・メンテナンス」についてです。

食品に触れる機会の多い高リスクな厨房機器・器材に対して、適切な予防保守管理が行われないと、保管している食品が、細菌や化学物質によって汚染される可能性が非常に高くなります。
損傷個所がある動かなくなった機器や調理設備は、速やかに修理・修繕、または交換を行わなければなりません。また、修繕が必要な機器や調理設備には、「故障中」などの表示をして、機器や器具、設備の使用を避けましょう。

1) 予防保守
 ・使用しない調理器具、設備などは食品エリアには置かない
 ・修理・修繕が必要な破損した設備、機器は速やかに修理・交換する

2) 高リスク器具、機器
 以下の器具、機器設備については高リスクであるため、特に注意が必要です。
 1.製氷機
 2.冷凍庫とチラー
 3.洗浄機
 4.オーブン
 5.炊飯器
 6.まな板
 7.ミキサーやブレンダー
 8.真空機器
 9.スライサー

その他に、害虫発生と厨房内への侵入について、適切な予防方法、害虫駆除、防御策などのマニュアルを備え付ける必要があります。また、駆除を行う殺虫剤などは、店舗内で使用を認める殺虫剤リストを作成し、殺虫剤の適切な使用と保管を行うようにします。

今回まで全5回にわたり食品衛生管理について、それぞれのテーマにおける最低限の知識をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。実際の現場では、さらに細かい専門的な知識が必要となってくるでしょう。

お客様の安全・安心を守るのは、お料理を作り、提供する皆様の意識と知識となります。これからもお客様の期待を超えて、感動していただける食事やサービス、空間の提供をすべく、基礎となる安全衛生にぜひ取り組んでください。