ホテル・旅館業界が他業種から得られるものとは1-③
これらのポイントをホテル・旅館業界へ活かすとしたらどのように考えられるだろうか。
まずは1の個別課金。
シングルのスタンダードを更にシンプルにした客室をベースとして、他社よりも格安で提供する。つまり、余計なFF&Eを排除。例えば、テレビ、冷蔵庫、大浴場のあるホテルであればユニットバスも不要、アメニティも準備しない。あるのは、ベッドとテーブルだけ。立地にもよるが、出張客が最大のターゲットであるホテルであれば、このような不要なものを徹底的に省き、但しパソコンが使えるテーブルとゆったりとしたベッドだけにはこだわる。このようなメリハリで設備投資金額を抑えて、清掃コストなどのオペレーションコストも抑えて客室1室にかかるコストを最大限削減することが考えられる。
このような非常にシンプルな客室を大半用意して、それらにFF&Eを設置したタイプの客室も用意、アメニティも提供する、リネン類のアップグレードなど考え得るプラスアルファのFF&Eやサービスを追加する毎に追加料金が発生する料金体系にしてしまう。このようなことが考えられるだろう。
次に2の徹底したレベニューマネジメント。
これについては、1と組み合わせて、事前の客室販売価格(ADR)は今まで以上に下げて販売することが可能になるので、競合他社が追いつけないほど安く販売する。しかし、直前になるとアップグレードした客室しか在庫がないこともあり、他社よりも高く売る。このように、今まで以上にメリハリのきいたレベニューマネジメントが可能となるかも知れない。
次週は、3.駐機時間25分と4.契約社員の活用について考えてみたい。
つづく