集客力の源泉を探る(13)
今一度コンセプトを明確にして、お客様がわざわざ行きたくなる魅力を持ったホテル旅館作りの大切さとその方法について述べた。まずは、自分自身を魅力的にする事が重要である。
次に行うことは、お客様の「行きたくなる」動機を如何にして引き起こすか、である。行きたくなる魅力はあるのだから、その魅力を活かして、如何にして行きたくなる動機を引き起こすか、具体的な行動を引き起こすかが重要となる。
一体消費者は、どのようにして行きたくなる、消費したくなる行動のスイッチが入るのだろうか。この点で、注意しなければならない点がある。それは、既に消費者は「おなかが一杯」であるということである。つまり、欲しいものは既に手にしている。誰しも、着るものに困らない、食うには困らない、住むには困らない、衣食住など普通に生活する上で、困る状況にはないのである。現在の消費者は、ただ単に「足りないから欲しい」という動機が非常に薄れているという点に気づかなければならない。
「足りないから欲しい」というニーズに応えるならば、如何にして機能が良くて、少しでも安い「モノ」を提供していけば良い。しかし、「良く分からないけど欲しい」と言うニーズに応えるには、機能や価格などの機能的価値を提供するだけでは、消費者には響かない。この点を理解する必要がある。