コンシェルジュノート

2012/09/11 コンサルタントコラム

出口戦略(4)

 金融庁の調べによると、中小企業金融円滑化法の平成24年3月度までの活用は、3,023千件の実行により条件変更を行った債権は約82兆円にものぼる。中小企業1社が取引銀行平均2.5行に対して条件変更の申込を行ったと仮定するとその数は42万社になる。これは世の中の中小企業の約11%に相当する。つまり、10社に1社は条件変更の申込を行ったことになる。
 これだけ多くの中小企業が条件変更を申込み、業務改善を図ることで収益の向上を目指したわけである。果たして、どれほどの企業が目論見通り、経営改善計画を策定し計画の着実な履行ができているのか。
 明確な調査は無いが、条件変更を申し込んだ企業のうち約2割の企業は、条件変更後も金利すら支払われていない状態にあると言われている。これらの企業は少なくとも計画通りに業績が改善しているとは言えない状態である。逆に計画通り業績が改善している企業は約2割とも言われている。
 つまり、2割の企業は業績が改善し、6割の企業はどっちつかず、2割の企業は業績悪化という結果なのである。まさしく、ニハチの原則がここでも生きているのは驚きである。
つづく