コンシェルジュノート

2016/08/09 コンサルタントコラム

機能ない会議の特徴

事業再生の現場に携わると、振り返る仕組み(マネジメント)が機能していない
会社ことが非常に多く存在します。特に、そのほとんどが会議体が機能していま
せん。今回は、効果的な会議の進め方をテーマに、よくある失敗する要因とその
注意点を見ていきましょう。



■会議の目的が決まっていない

旅館を知るためのインタビューにて、「会議は実施していますか」と聞くことが
多いです。そうすると大半の会社は「会議はきちんとしています」という回答が
返ってきます。「では、何のために実施しているのですか」と聞くと大半は明確
な回答が返ってきません。会議の目的が明確になっていないのです。

会議の種類は大きく分けて、3つあります。

(1)伝える会議
朝礼をはじめとする毎日の業務上の情報を共有するための会議です。ホテル
旅館であれば、日々の宿泊客の情報を伝達することを目的としています。情
報を正確に伝えることが最も大切な項目です。

(2)アイデア出しの会議
いろいろな意見や問題点、提案の意見を出し合う会議です。できるだけ多く
発散させることが重要です。

(3)決める会議
具体的な行動や取り決めなどを決める会議です。問題点や課題を整理検証し、
決定します。経営計画策定後のモニタリングなどは、こちらの決める会議に
該当します。特に再生企業はこの決める会議が機能していないことがほとん
どです。毎月、結果の振り返りを行い、何がうまくいき、何がうまくいかな
かったかを把握し、次に行うべきことを決めます。

特に、(3)の決める会議では特に注意が必要です。これらの目的がはっきりして
いないと、フリーディスカッションになり、話の内容が二転三転して、結局何を
話したのかわからなくなってしまいがちです。事前に、話す内容のアジェンダ
(箇条書きなどでもよい)を用意するなどして、議論が発散しないようにします。


■時間が決まっていない

会議開始時間は決まっていることがほとんどですが、終了の時間を決め、共有す
ることは大事です。終了時間が決まっていないと、「この会議はいつまでやるん
だろう」となって、議論に集中できなくなる要因になってしまいます。当然、時
間は有限でありますし、会議参加者の人件費というコストが発生しています。決
められた時間内に、行うことはとても大事です。


■記録(議事録)がない

いろいろな議論が活発に行われたとしても、1週間もすれば、その議論のすべて
をはっきりと覚えていることはないかと思います。
よくあるのが、先週から何度も同じ話を議論するなど堂々巡りになって何も決ま
らないということです。
議事録を作成し、議論の内容や、決定事項は必ず記録に残し、参加者に共有しま
す。これにより、参加者間の認識の違いや、聞いてなかったなどを防ぎます。
また、会議の終了時には、まとめとして、本日話し合った内容を再度確認する、
決まった事項を確認する、だれが・何を・いつまでにといった役割分担を明確に
することが重要です。これらも議事録へ記入します。


何気なく実施してる会議ですが、経営改善を進めるうえで重要な部分になります。
今一度、自社の会議運営を見直すことも必要です。