コンシェルジュノート

それでもホテルは生き続ける

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第十四話「小関営業課長へのインタビュー」

前日に引き続き、営業部へのインタビューが続いていた。 「小関課長の日々の行動はどのように計画されていて、誰が管理しているのですか。」 事業担当の専門家は、表情は柔らかく恰幅も良く、傍目にはおおらかに見えた。しかしながら、 […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第十三話「デューデリジェンス」

第一回のバンクミーティングが終了してから、専門家によるデューデリジェンスが始まった。 社長の坂本はデューデリジェンスという言葉自体初めてだったのだが、分かりやすく言うと財務と事業、不動産等の現状把握のためのそれぞれの専門 […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第十二話「第一回バンクミーティング」

 坂本社長、坂本伊織取締役、森下総支配人、板東経理課長の4名とW県中小企業再生支援協議会の平山統括責任者と牧副統括責任者がひな壇のテーブルに座っていた。 それに相対する形で、あおいろ銀行榊原融資部長、市川融資部係長、岩城 […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第十一話「臨時部門長会議」

総支配人の森下は、急遽部門長会議を開催していた。通常は社長も出席するのだが、今回は坂本取締役料飲部長と総支配人、営業部、宿泊部、料飲部、調理部、経理課の部課長が集まっていた。  「お疲れ様です。早速ですが、部門長会議を始 […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第十話「盛夏」

 最高気温が35度以上の日が続いていた。今年の暑さは異常だった。体温と同じ気温と言うことは、街中では路面での太陽熱の跳ね返りを考えれば体感温度として40度はあるように感じる。7月に入っていつの間にか梅雨が明けたのかと思っ […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第九話「家族」

 「あなた。これから私たちどうなるの。」  伊織は自宅のキッチンで作りたてのパスタを真っ白なプレートに盛りつけながら、社長である夫に話しかけた。雄司はぼんやりとテレビを見ながら、伊織の方を振り向いた。   「分からん。」 […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第八話「覚悟」

 経理課長の板東は、あおいろ銀行とのやりとりや中小企業再生支援協議会の窓口相談の内容など、それまでの経緯も含めて淡々と報告していた。 取締役の坂本伊織、森下総支配人は板東の話を聞きながら、ずっと考え事をしているようだった […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第七話「窓口相談」

 W国際グランドホテルのメインバンクであるあおいろ銀行の柳原融資部長と岩城支店長の薦めにより、社長の坂本と板東経理課長は、W県中小企業再生支援協議会を訪問していた。まずは、窓口相談と言うことで、資料を携えてヒアリングを受 […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第六話「取締役と総支配人の確執」

 経営会議が終わり、総支配人の森下は総支配人室に戻り、肘掛けのない簡素な回転椅子に座り込んだ。 総支配人室と言ってもフロントバックの奥に簡単なパテ–ションで仕切られた4畳ほどの狭いスペースである。森下は先ほど […]

MORE...

2010/12/17 それでもホテルは生き続ける

第五話「経営会議」

ホテルの一室で会議が開かれていた。 出席者は、坂本社長、坂本取締役料飲部長(坂本の妻)、森下総支配人、福島総料理長、高槻営業部長、小野上料飲課長、板東経理課長の7名である。各部門長が出席する、いわゆる経営会議である。 い […]

MORE...